2010.12.27 Monday
マリーローと訪ねたメッツ美術館
マリーロージュゼット、エットレソットサスの75歳の誕生日に、南フランスのカップデュアンティーブのソットサスのパトロンの家で始めて会いました。もう20年近く経つのでしょうか。。
深い洞察力ときびきびした態度、迷わない早口の話し方にすっかり圧倒されるやら、ファンに成るやら、、、、、
ポンピドーセンターのデザイン部のチーフキュリエイターです。
次の年に、ソットサスの展示会がポンピドーで開催される事になってまたパリでお目にかかりました。
毎年、サローネの家具展では必ずお目にかかるようになり、日本でのコルビジェの事務所に長く
家具のデザインを担当していらした’シャーロット ペリアン’の展覧会は、マリーローの
キュリエーションでした。
戦争の始まる時に日本に来日されたシャーロットペリアンは、すぐに帰国がままならず、日本に
滞在される事になった、そのお陰で日本の住生活を学ぶ機会に恵まれて、、、、
桂離宮、修学院等々、日本の’レス イズ モア’を体感されて、フランスに帰られてからは
その影響を深く受けたデザインをしておられたようにマリーローから聞きました。
今年春にオープンしたメッツのポンピドーセンターの分室を、友人の坂 茂さんがデザインコンペで当選して、設計することになり、ポンピドーセンターに、紙の設計事務所を建てて、仕事をされていたので、マリーローとも何度も伺いました。
やく10年近い歳月を掛けて完成したメッツ! マリーローと訪れることにしました。
坂 茂さんからは、メッツの町でお酒を飲んでいると、近所の人達に’美しい美術館を設計してくれてありがとう!!’と声をかけられるようです。
日本人として何と名誉なことでしょう。。。。。
この日も、沢山の外国人が訪れていました。メッツ美術館の完成で、他からの訪問者が増えた
ことを、この町の人達は喜んでおられる様子です。
この写真も大きな美術館の窓から、自分たちの家々や近所の様子を眺めて楽しそうに話して
いる近所の人達です。
マリーローも近ずいていろいろ話していましたが、‘茂はこの町にいい仕事をしたよ!’
ト言っていました。
工業デザインの部分では、マリーローがパリのポンピドーセンターの為に
購入した椅子達が展示されていて、得意げでした。
ケルンの国際家具展示会に行った時も、バウハウスの時代の椅子を購入するのに
ギャラリーについて行きましたが、彼女の方がギャリストよりもその椅子の歴史に詳しかったのを覚えています。
彼女の言葉によく、’コマーシャル化したデザイン’と‘精神性の存在するデザイン’
の差別を耳にします。
つい流行に流されて忘れがちな大切なメッセージをいつも心に刻んでいる
キュリエーターです。
会うごとに深さを感じるマリーロー、今日も特別なメッセージ付きのご案内
ありがとうございます。マリーローの好きなブランクーシの彫刻と共に!