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2010.11.16 Tuesday

箱根の山は天下の嶮


 
 
春の桜、秋の紅葉は睡眠時間が短くなる程、焦って歩き回ります。
 
 
紅葉は桜よりは少し長く美しくいてくれるので、心静かですが、、、、、、
 
 
 

 
 
 
それにしても、温暖化で随分遅い紅葉!
 
 
京都も私の小さい時には10月になると、嵐山が真っ赤になって、、、、、
 
 
清滝にいつも行くお茶屋があり、湯豆腐を食べさせてくれました。
 
 
そのさりげない美しいしもた屋の玄関には、'くれない燃ゆる’ 湯川。
 
 
湯川博士の一筆が掛けてあったのをいつも気にして見つめていました、、、、この年を重ねても美しいおかみさんと湯川博士の交わされた言葉を想像しながら、、、、、、、
 
 
 

 
 
 
山を歩いていると、ふいに日本画の構図を思わせる風景に出会います。
 
 
 
突然木が横たわります、、、、、、
 
 
 
尾形光琳の‘竹梅鵜’を思い出しました。
 
 
 
金箔を張りつめた上に水墨画で、竹と梅を書いているのですが、普通の構図で書けば
 
とても退屈になる、もしくは少し野暮ったくなる画材を、尾形光琳は特に、その天才ぶりと
 
先達である俵屋宗達を意識してか?わざと、稲妻が走るような奇抜な枝振りの梅を中央に描き、
 
粘り着くような曲率の竹の枝葉は、その構図の緊張感を緩和したものです。
 
 
国立博物館で見た尾形光琳の日本画を思い出しながら、出会った枝に不思議な縁を感じました。
 
 
 
 
 

 
 
 
江戸300年、参勤交代の度に苦難して通ってこられた箱根の旧街道
 
 
その一部がその時代のままに保存されて遊歩道になっています。
 
 
石畳を無言に歩きながら、、、、、
 
 
明治維新後、開国をして西洋化を勧めて来た日本、第2次世界大戦の敗戦から見事立ち直り
 
 
経済大国に成った日本、でも良~く見回してみると、江戸時代のままの封建制度をいろんな所で
 
 
保ち続けているのを感じます。藩は会社になり、、、、、終身雇用は継続します。。。。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
それはいい場面で現れたり、、、、、逆だったりしますが、やはり江戸300年は深く
 
日本人の魂に、刻まれた原風景になっているのでしょう。。。。。
 
 
 
ヨーロッパの人たちが、知性で排除しようとしている宗教観にも似た物を感じます。
 
 
 
そうして人間は少しずつ変わっていくのでしょうか?
 
 
秋は、私のようなものにでも少しセンチメンタルになる事を許してくれるようです。。。。。